想定科学ADV STEINS;GATE
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こちらではSteins;Gateにて演奏されるBGMの解説を開発後記を兼ね気軽に書いてみます。
一気に書く時間がなかなか取れないので、数曲ごとに掲載出来れば良いかなと思っています。
続きはかなり不定期になる予定です。

*以下、ネタバレ含む解説になりますのでご注意下さい。


GATE OF STEINER
GATE OF STEINER -Piano-
Laboratory
Noisy times
Suspicious eyes
Assailant
The Limit
Believe me
Urd
Crossroads
Quiet air
Yanagibayashi
Hack -alpha/beta/short vision-
Netword battle
Cycle
Explanation
Select of sorrow
"SERN"
Walking on sleeping
Chaos mind
hesitative consideration
Self affirmation
Human community
Ringing -Beginning of fight-
Ringing -Village-
Ringing -Easygoingness-
Ringing -Precaution-
Ringing -Over the sky-
Ringing -Reunion-
Ringing -GATE OF STEINER-
Solitude
OPERATION SKULD
Fake Verthandi
The universe




■GATE OF STEINER

本作の音楽を制作する前に膨大なシナリオを最初から最後まで読みました。
その初期段階のテキストの中には笑いから葛藤、驚愕、そして数々の悲しみを
包み込む大きな感動があり、読んでいる自分と主人公がシンクロしていくような
不思議な感覚がありました。これは凄い!素晴らしい、と。
全て読み終えた後、その時点で受けた感情を心に留めつつ、鍵盤に手を置き、
イメージした音階、和音、そしてフレーズと作り始めました。
その際、キャラクターデザインのhukeさんが描いた素敵な本(huke pic 05)を資料として
頂いたのですが、こちらもまた濃厚な世界観で、強い印象を受けました。
このテーマ曲GATE OF STEINERは、自分が受けたその全ての感情を注ぎ込むように作りました。
そして今回テーマ曲を作る上で「本編中でも何度となくそのフレーズが出て来て
『シュタインズゲートと言えばこのフレーズ』と印象付けるよう」との指示を
プロデューサーのMさんより受けてましたので、重要な曲として丁寧に作りました。
そして出来上がったのがこの「GATE OF STEINER」です。

イントロの不安になるようなアルペジオは、ビジュアル的な世界観として参考にした
hukeさんの本と、時間跳躍による因果をイメージしてます。
そして未知なる領域、仲間・絆、繰り返す悲劇、葛藤と執念、切なさと愛おしさ、決断。
そういった流れを音楽にも展開させ作りました。徐々にパーカッションが入り、物語が
加速していく様子等も汲み取ってみました。
決して明るい曲ではないですが、その中に希望や進むべき道を示唆する要素を込めてます。

なのでこのテーマは全てを知ってから作っている曲ですので、本編で大団円を
迎えてから改めて聴いて頂ければ、曲に込めたメッセージが伝わるかと思います。

■GATE OF STEINER -Piano-

前述テーマ曲のピアノ版です。
曲の進行に関してはテーマ曲の構成そのままですので、イメージしている部分は共通です。
が、こちらの曲は人間性を出してみるようにしてみました。時間跳躍など理論的な事は省き、
主人公を始めとした登場人物にスポットライトを当てたような具合です。
物語前半部分より、後半部分の展開と照らし合わせて聴いて頂ければと思います。
本編でも実際に使用されるシーンは前半より後半かなと思います。

ピアノ曲の制作は演奏時の僅かな溜め、微妙な強弱、重なる音階・和音にかなり気をつけてます。
たった1つの音符がイメージ外だった事の為に数十回演奏し直したりは日常茶飯事です。
その行程「正面Macのキーボードから録音開始→脇のシンセに向かい1フレーズ演奏→失敗→Undo→…」と
ロボットのように体を左右に振って作業しているので、端から見たら奇妙な動きに見えるかも?
フレーズによっては頭を下げて目をつぶって上記作業なので余計に怪しい人ですね。
録音作業によっては左手でマウス、右手で鍵盤です。腕をクロスして逆の場合もあります。
通常は右手でマウスですが、録音時は満遍なくマウスを両手で持ち替え使っています。
開発の中では割と動きの多い人かも知れません…。

■Laboratory

未来ガジェット研にて仲間と過ごす日常の音楽です。
独特の雰囲気が漂う室内での言動や様子を思い浮かべて作りました。
元々の曲名はFuture Gadget Laboratoryでしたが、諸事情で短くしました。

未来ガジェット研に設置されているマンハッタンボディータイプのX68000。通称X68k。
この機種には深い思い入れがあります。もちろん私もX68kユーザーでした。
当時X68k EXPERT2が登場後モニタセットで購入しプログラムやゲーム(遊ぶ方も作る方も)を始め、
FM音源やMIDIによる音楽制作などどっぷり浸りました。
自分の周りにX68kユーザーが多く、結構コアな用途だったと思います。
X68000芸術祭首都圏地区大会などの幾つかのコンテストにエントリー出来たのも良い思い出です。
Sound Teamを作って大手即売会で自作曲を販売したりもしました。
そんなX68kはクリエイト魂を猛烈にかき立てる夢が詰まっていて本当に素晴らしかったです。
Steins;Gate本編でこの名機X68kが採用されてた事で、古き良き時代を思い出したりもしました。
X68k PRO2も所有していましたが、X68k EX2と共に特有の電源不良等により手放してしまいました。
でも今現在は3台目としてX68k XVIを所有しています。しばらく前に稼働チェックだけして保管してます。
今の自分があるのもX68kによる影響が多大だと思います。それくらいX68kは好きでした。
っと余談が長くなってしまいました。こっちの話は延々語れてしまうかも…

■Noisy times

こちらも未来ガジェット研究所の日常曲ですが、おちゃらけている時のバタバタしている感じの
時のBGMとして作りました。序盤のどうでもいいような会話などから想像し、恐らくBGMの中で
一番抜け明るい物になっているかと思います。この曲の締め部分は作曲開始時から決めていて、
「こういう終わり方の曲にしよう!」と着手してます。
作曲はスムーズに進み、あっという間に完成したような感じです。

■Suspicious eyes

「仲間にスパイがいるかも知れない」という疑念が渦巻き出す様子をBGMにしてみました。
第1章プレイ開始後(ムービーを除き)最初に流れるBGMになりました。
REASONのステップシーケンスを活用して時間と共に変化していく音色を使い、
後半はテーマ曲GATE OF STEINGERのフレーズを使っています。
このテーマはこのように要所要所で喜怒哀楽に編曲・分解し、各BGMで使用しています。
曲の雰囲気は私が好きなジャンルなので、楽しく自由に作らせて頂きました。
後半のコーラスの音色ですが、これがまたREASON独特の作り方をしています。
よくあるサンプリングされた音源ではありません。元はホワイトノイズです。
Version4からの新しい物理音源Thorを使い、単なる「サー」というホワイトノイズを重ね、
フォルマント成分を操作するフィルターをかけて声に聞こえるようにしてます。
フォルマントを操作する事で母音となる「あいうえお」を何となく発声出来るように
Thor音源自体を作り込みました。不思議な感じが出ているお気に入り音色です。

■Assailant

襲撃など緊迫した状況下を想定したBGMです。Assailantとは襲撃者という意味です。
緊迫度合いを3段階に分けるとしたら中間の「2」位の感じで作ったのですが、
出来上がったら意外と深刻な緊迫具合になっていました。
本編では初っぱなタイムマシソ発表会見シーン後の爆発で演奏されるようです。
この曲も面白そうな音を後ろでいくつも使っています。
そして後半ではお馴染みテーマ曲GATE OF STEINERも分解して引用しています。
こうやってSteins;Gateではテーマのフレーズを何度もさりげなく引用して
印象付ける事が出来るよう作為してみました。

■The Limit

緊迫度合いが最高ランクの状態のBGMです。
このシーンが演奏される時はプレイヤーも緊迫している事かと思います。
鳴り響く心の警鐘。不安になる音階や、微妙な音程のずれ、煽るパーカッション、息づかい。
苦労したのはベースの音色でしょうか。なかなかハマる音色が思い浮かばず、
色々試行錯誤してみました。結果、3種の音色を使い分けベースとして使っています。
なのでベースがお気に入りだったりしますので聴きながら追ってみて下さい。
この曲までがプロジェクト初期段階で指定されていたBGMになります。
シナリオから得る創造欲があまりにも高かったので、指示あるまでシナリオを読みつつ
必要と思われる音楽、そして作りたい音楽を作る感じに進めていきました。

■Believe me

シナリオを読みつつ曲を作って行くにあたって、まず必要と思ったのは定番かも知れませんが、
メインテーマのモノローグアレンジ。元々ピアノ演奏を前提にした作りでもありましたし、
最初にピアノ版も作っていたのでモノローグ版もスムーズに作る事が出来ました。
具体的には強弱で表情を付け、演奏し直しつつアレンジをしていく作業です。
とても心情的なシーンで使う事を前提にしてますので、より一層感情込めて作ってます。
心に響いて頂けたなら本望です。

■Urd

過去や追想を題材にした曲です。
曲名のUrd「ウルド」は過去を司る女神でお馴染みですね(アフタヌーン読者でした)。
さて問題です。この曲は何拍子でしょうか?
…答えは環境音楽と相性の良い(と思っている)7拍子の曲です。
繰り返されるシーケンスに、後半のシンセパッドだけで構成していく流れが気に入ってます。
個人的に大好きなジャンルという事もあって、あっという間に出来ました。
こういうBGMは雰囲気が大事だと思っています。色々混ぜず、一定のイメージを保ち
、 風景的な1枚絵を頭の中で描いて、統一した色で彩色していくような感じです。
空気のようで飽きられるかも知れませんが、無音ではないBGMとして重要な位置づけだと思っています。

■Crossroads

「追手」をイメージした曲です。物理的に追われる事の他、精神的に追われる事も想定してます。
シーケンスはREASONお得意の音色です。ノコギリ波(SAW)の単純な波形にフィルターと共に
エンベロープを付け、Screamモジュールで歪ませ、Control Changeでフィルターとレゾナンスの
パラメーターを変化させていきます。ベースの音色はThorでFM変調を使ってみました。
FM音源大好きっ子だったので、2オペレータ程度では物足りませんが、それでもREASONは
面白い音色を作る事が出来ます。ちなみに大好きなのはYM2151。属に言うOPMのFM音源です。
Steins;GateではそんなFM音源も活躍してます。それはその曲で解説したいと思います。

■Quiet air

まったりしている日常シーン用に作ってみました。
前半はLaboratoryのテーマを継承してます。
後半は居心地の良さ、平和な時間を前面に出してみました。
シンセパッドのコードの上で泳ぐ高音のピアノ、この組み合わせ大好きです。

■Yanagibayashi

柳林神社のテーマです。この曲、当初は没曲扱いでしたが、
本編に組み込まれていて一安心です。供養しなくて済みました。
作品中では割と異色なBGMになるかも知れません。
結果的に通常の日常曲とは差別化出来、ルカ子とのシーンが印象付いて良かったのかも?

■Hack -alpha vision-

本作で作ってみたかった種類のBGMです。かなりお気に入りの曲です。
高度なデジタルアタックを展開するシーンを読み、思い浮かんだ雰囲気を曲にするにあたって
音色制作に比較的時間をかけました。時間により変化する音色や、シンセサイザーの
コントローラーをいじる事や、鍵盤を叩く強さで音の成分が変化していくようにしたりと
幾つかの仕掛けを作り、その音色を生かせるよう音楽として構築しました。
Steins;GateのBGMは殆どがREASONという音源を使っています。この曲も100%REASONです。
制限はありますが、音色作りが楽しいREASONだからこそ出来た部分もあるかも知れません。
この曲はそういった音色達も聴いて頂けると嬉しいです。
ちなみに一番好きな音色は冒頭から定期的に聞こえる「ポココココッ」という音です。

■Hack -beta vision-

上記Hack -alpha vision-のテンポアップ版です。
デジタルならではのON/OFFによるスピード感を強調した、とでも申しましょうか…。

■Hack -short vision-

Hackの別ミックスによるショートバージョンです。
こういったTechnoな曲はトラックをON/OFFしてやる事で、簡単に別ミックスとして曲が出来上がります。
演出としてのサウンドトラック的には、同じ曲でも雰囲気を変えて使用する事は
物語の展開に段階を付ける意味で特に有効です。

■Network battle

雷ネットバトルの曲です。ゲーム中のゲーム曲という事で、X68000でお馴染みの
4オペレータFM音源の音色を幾つか使ってます。ベースの音色やリードの音色等です。
OPN、OPNA、OPMの4オペFM音源は個人的に大好きで、学生時代からずっといじってました。
そのままそれを仕事にする事が出来て業界に入った思い出(曰く付き?)の音源です。
慣れないと意味不明なパラメータなのですが、逆に慣れると音源パラメータを見ただけで
大体の音が予想出来るようになります。DX7のような6オペになるとさすがに予想出来ませんが…。
マニアックな話になりますが、個人的に好きなアルゴリズムは分かりやすく速攻で音色を
作る事が出来る並列の4と5です。複雑な音作りには2を好んで使っていました。
次に愛用していたのは0です。1と3は殆ど使わなかったかも?
FM音源黄金期を思い出すと今でも心が熱くなります。そんなFM音源オタクでした。
WAVEデータが主流になるようになってからは、もうすっかり使わない音源と化してしまいましたが。

さて、曲の話に戻りまして。
曲名の通りカードバトル時の曲を想定して作ったので戦闘シーン風味です。
戦闘開始〜心理戦〜苦戦〜再び心理戦による形勢逆転という流れを意識してみました。
一部のギターの音色はREASONではなく他のソフトウェア音源を利用しています。
弦楽器はシンセでの表現が難しいので気を使います。

■Cycle

曲名をCycleにするか、Rondoにするかギリギリまで悩んだ曲です。
ラボの親睦会?であるサイクリングイベントBGMを想定して作りました。
曲調から分かる通り、爽やかなサイクリング前提で作っています。
なのでタイムリープによる輪廻を示す「Rondo」ではなく「Cycle」その物の方を採用です。
後半はテーマ「GATE OF STEINER」のフレーズも導入してみたのですが、
コードワーク的にどうかなと実験的に入れてみたら、上手い具合に馴染みました。
唯一明るいシーンBGMとしてテーマ曲を組み込んだ物となりました。

■Explanation

まだシュタインズゲートという作品名が公開される前は「Project S;G」でした。
その初期のPVでBGMとして最初に流れた曲がこのExplanationとHackです。
どちらもAmbient色が強く、硬派な物語となるような印象を出していた思い出があります。
そしてこの曲、かなり気に入っています。個人的満足度は本作でベスト3入り間違い無しです。
と言っても多くの方々の反応としては空気曲としてつまらない物かと思いますが、
作曲打ち込み側としては音色や空間バランス、そして雰囲気重視のお気に入りだったりします。
そんな曲のテーマとなる物は「理論解説」です。本作では高度な理論の展開から、
テクニカルな解説がいくつも登場します。「想定科学アドベンチャー」「12番目の理論」等の
フレーズからも曲の構想は膨らみ続けていました。BGM制作前のシナリオ読みの時点でも
それらの考察シーンなどを多く感じた事から再生される頻度や重要性を考えて作りました。
解説の時に妙にメロディアスな曲を流してももの凄く不自然になると思ったので、
こういった(個人的に大好きな)Ambient物なのです。本作は本当に創造力・想像力を高める作品でした。
この曲も当然ながら音源はPropellerhead社のREASON(version4)のみです。

■Select of sorrow

GATE OF STEINERのアレンジになるBGMです。
想定したシーンは「悲しき葛藤」。
主人公が選択する際の葛藤、どちらも簡単に選べず、悲しみに苦悩する様子をBGMにしてみました。
テーマ曲「GATE OF STEINER」を作る際に、こういったシーンにも適応出来るようにと
イントロ部分を考えて作っていたので、比較的短時間でイメージ通りに仕上がりました。

■"SERN"

本編で登場する組織、SERNのイメージテーマです。
「Hack」の曲の後にこの曲が来るという組み合わせです。
ハッキングにより発見してしまった重大かつトップシークレットの情報。
見てはいけない、見るべきではなかった、後に引けない、不安、恐怖。
明らかになってしまった闇の部分を知る際の様子をイメージしてます。
なおかつ、そういった戦慄に似た感情を覚えつつも、興味が出てしまう本当の
マッドサイエンティストのような複雑な心理もイメージしてみました。
音楽的には完全なるバックグラウンド物として作っています。
派手にならないよう気をつけつつ、シンセサイザー特有の音色を組み合わせ、
実在しない音色で構成し浮遊感を出してます。
本編でこの音楽を初めて聞く際、このイメージした感情とシンクロして頂けたなら幸いです。

■Walking on sleeping

おちゃらけたBGMです。コミカルさと奇妙さ(変?)を共存させつつ、
お間抜けな感じを出してみました。シナリオを読んでいると、
意外とこの曲が登場するシーンも多そうな感じもします。
ギロ等は普段使わない音色なので、作りつつも何だか新鮮な気持ちでした。

■Chaos mind

Ambient物です。故に例によってお気に入り曲です。
疑惑、違和感、噛み合ない会話、不可思議といった精神的な物のイメージです。
不安感を煽る7拍子です。こういう変拍子曲を作る時は「この曲は7拍子で行こう」と
いう具合に一番最初に決めます。変拍子に似合う短いシーケンスフレーズを作り、
ベースを考えシンクロさせ、不規則気味のパーカッションを重ね合わせていきます。
Ambient物は特に音色の時間的変化を重要視してます。楽曲構成がシンプルになる事が多いので
ただ伸ばしている音色でも時間と共に変化させ、目に見えない音の「色や形」を刻々と
いじって行く事がまた楽しかったりします。Reverb(残響音)の深さやDelay(反響)の
タイミングも計ってパラメータを設定していきます。

当初曲名は「Reading steiner」でしたが、テーマの曲名と単語が被る為に変更しました。
Chaos;Headと同じ世界観という事もあって「Chaos」という単語を使いたかった事から
この曲名にしました。Chaos;Headと言えば、本編の雑踏SEの中に同製品のBGMとして作った
日常曲「Virtual reality」を紛れ込ませてみましたが気づいた方いらっしゃいますでしょうか。
更に拓巳の独り言BGMである「Soliloquy」の中盤フレーズも紛れ込ませてますが、
こちらは聞き分けるには高難易度だと思います。

■hesitative consideration

再びメインテーマのアレンジになります。こちらは悲哀や生死に関わる事実など
マイナス要素が濃いシーンを想定しての編曲です。
テーマアレンジと言っても、それはイントロ部分だけですが。
イントロからシンフォニックな構成で作ってみました。
カルテットの弦楽器にピアノ、ホルン等。本物の楽器で聴いてみたいです。
逆にREASONだけでここまで作れてしまう現代の技術にも改めて驚きます。

■Self affirmation

「意識・錯覚・自我確認」というキーワードがテーマになっているBGMです。
この曲はChaos mindとセットになっています。7拍子のシーケンス等が共通です。
この曲もかなり気に入っていたりします。1:04位からが特にお気に入りです。
ホワイトノイズから作ったコーラスの音色に淡々と繰り返されるマリンバの音色、
意識的なシンセパッド、そしてFM変調されたシンセによる自我の覚醒。
こういった精神世界を表現した音楽は作るのも聴くのも楽しいです。

■Human community

日常曲として作ったBGMです。「仲間と過ごす時間」がテーマになってます。
日常曲としてはプロジェクト後半に作った物だったりします。
今まで作った日常曲では補完出来ないシーンを想定してます。
色々変わった音色もいくつか導入しています。
こういうライトなエレポップも作っていて楽しいです。

■Ringing -Beginning of fight-

着メロ用として作った曲ですが、かなり趣味に偏ってます。
携帯のスペックをFM音源端末として脳内設定し、その環境下で演奏です。
携帯というよりはPC8801mk2SR等へ増設させるSoundBoard-IIを想定しました。
具体的にはOPNAと呼ばれるFM音源6音+PSG3音+YAMAHAリズムとなります。
このスペックを聴いて「!」と思われた方、私と同世代ですね?
PC9821末期まで同様の音源(PCM処理が違いますが)を積んでいたので、
ゲーム界では比較的馴染みのある音質かと思われます。
携帯端末音源とは違って来てしまいますが、想定科学アドベンチャーという事で…。
また、当時一世風靡したこの音源を使った数々の名作ゲームを思い出しつつ、
その頃の雰囲気を出すような曲を作ってみました。
ゲーム中では携帯電話の小さなスピーカーから聞こえてくるようなEQを掛けてます。
感覚的にはちょうどPC8801本体から聴こえて来る状態が本編で演奏される音でしょうか。
無加工の状態はベースやドラム等の低音がズンズン入っております。
当時、普段PC本体から聞こえていた音と違うこういった低音に感動した事も懐かしいです。
2010/02/03発売のサントラCDには、この無加工版を収録予定です。

ちなみにこの曲はOPNAのリズム音源を使用してません。
FMベース*1、FMメロディー*2、FMギター*2、FMタムドラム*1、PSGのサブ*3、という構成です。
曲名は「クォータービューARPGの平原」のイメージから、こうなりました。

■Ringing -Village-

ARPGでいう所の「村」です。「何でVillage?」と思われた方、こちらの勝手な想定でした。
という事で全然本編とは関係ありませんが、携帯の着メロはARPG仕様な感じです。
構成はFMエレピ*3、FMベース*1、FMサブ*2、PSGメロ*2+PSGノイズ*1です。
FM音源全盛期は色々な曲を集めたものです。当時インターネットなんて有りませんでしたから、
情報源は友人か雑誌(ベーマガ限定)、電気屋程度です。
友達の家に行って録音したり、サントラCDをベーマガでチェックして購入したりです。
当時のカセットテープは保管してありますが、アナログ媒体なのでデジタル化したいこの頃です。
カセットが数十本あるので手をつける気にならない所が難点です…。

■Ringing -Easygoingness-

着メロARPGその3。こちらはYAMAHAリズムを使ったOPNA仕様です。
当時のFM音源音色は意外と覚えている物で、大体のパラメータを暗記していたりします。
それを元に音色をいじってみました。曲調は「のんき系」とアバウトに作ってみました。
PSG3音の使い方は、こういうオーソドックスなのが好みだったりします。
このデチューンでのソリッドな響きは古き良きパソコンゲームの時代を思い出します。

■Ringing -Precaution-

着メロARPGその4。洞窟です。Precautionは用心・警戒、という意味です。
この曲、携帯音質用にEQをかけた状態では殆どベースやドラムが聞こえません…。
ループ時になる鐘の音は当時もの凄く苦労しました。某有名RPGの2作目で聞いた音を元に
エディットを何百回と繰り返して煮詰めました。当時はOPMのDetune2を使おうとしましたが、
OPNで実際に鳴っているのを聞くと沸々と挑戦欲が湧いたものです。
この他の音色でも多大なる影響を受けました。当時自分で作った曲を電波新聞社さんへ
送った事があるのですが「音色が何かにそっくり」との感想を頂いたのも良い思い出です。
この曲なんてまさにそれ系です。

■Ringing -Over the sky-

こちらはARPGを意識しないで作った着メロです。
主人公以外のキャラクターが持つ携帯に設定してある着信音を想定して作りました。
聞きやすいPOPがコンセプトです。
この曲は最初OPN仕様(FM3音+PSG3音)にしようかと思っていましたが、
着メロはOPNAで統一する事にしました。このリズムの響きも懐かしいです。

■Ringing -Reunion-

こちらも主人公以外の携帯向け着メロBGMです。
何となくアーケードゲームのネームエントリー風な感じ?
短い曲という事もあり1時間弱位で完成したような気がします。
曲作りよりもPSGのアタック音調整とバランスに時間掛かったような…そんな印象です。

■Ringing -GATE OF STEINER-

ここまで着メロは割とパソコンゲーム風にまとめてきていたので、
携帯着メロで実際にありそうな音源構成曲も1つ作っておこうと追加作成しました。
何度も耳にするテーマ曲、がSteins;Gateのサウンドコンセプトでもあったので、
着メロでもテーマ曲を使う事にしました。音色は2種類だけ。
大昔のパソコンゲーム(FM音源を搭載した当初?)にありがちなFM音源特有の音色で演奏です。
あとはドラムにFM音源パートを使っています。
FMベース*1、FMメロ*2、FMサブ*2、ドラム*1の構成でPSGやリズム音源は使っていません。
こちらも超短時間で完成です。ドラムの音色は過去に自作したFM音源ライブラリーを使い、
制作時間は20分位でしょうか。

■Solitude

メインテーマを作曲した際に、このピアノの高音部分でのアレンジも想定していました。
そして出来上がったのがこの曲です。シンプルに仕上げたこの曲の使いどころは
恐らく重要シーンや感情的になるシーンになると思われるので、強弱やテンポなど
気をつけて編曲しました。キーワード的には語られる孤独、甘い記憶、等です。

■OPERATION SKULD

シナリオを読んでいて「おぉ〜〜!」とゾクゾクしたシーン。オペレーションスクルド。
これは専用曲入れたいなと思って作ったのがこの曲です。
クライマックスの連続シーンに、これまで演奏された事もない曲が流れると
個人的にグッと来るので、そういう演出を意図(期待)して作りました。
シンフォニック系にしようかと思いましたが、物語のテンポの良さと
デジタルな印象もあったのでBGM全体と合わせた感じの構成にしました。
明るいヒーロー的なものではなく、希望を持って最後の作戦に挑むようなイメージです。
この時キーとなっている携帯電話に関連した音もいくつか入れてみました。
中盤1:57辺りの溜めてから全イフェクトをOFFにして音を切り、
そして再度展開する辺りが気に入っています。

■Fake Verthandi

フェイクエンド用のBGM、GATE OF STEINERのアレンジです。
この曲はエンディング曲でありながら「?」という微妙な違和感を感じてもらえるように
テーマ曲を使う事にしました。聞き慣れた曲ですが、微妙にアレンジが違う?という
音楽面から違和感を最初に感じられるよう作りましたが、実際いかがだったでしょうか?
着信の演出など事前に聞いていましたが、どの辺から入るかは未知でしたので
対応しやすいようなアレンジに仕上げています。その為、この曲は2バージョンありまして
ロングバージョン、ショートバージョンと作りました。本編で使われている物はロングです。
ショートバージョンでは効果音的な音から始まり、テーマ曲へと繋がるのですが、
その冒頭の部分で「別曲が始まった→あ、この曲はテーマ曲だ」という流れの認識になってしまうので
フェイクとしては若干効果が薄いのかな?と思ったり…。なのでロング版採用は正しい効果を
生み出していた事かと確信してます。
余談ですが、ベルダンディーのスペル「Verthandi」、とても格好いいです。





To be continued...




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