STEINS;GATE 8bit、いよいよ明日発売となりました。
もしかしたら一足早く入手出来てしまった方もいらっしゃるかも知れません。
初回限定版には本作のサウンドトラックCDが付属します。
また、予約特典としてソフマップ様にはSharbo Z1版、メディオ!様にはSharbo Z1 turbo版の
サウンドトラックCDが頂けるようです。これはマニアックです。
私は当時Sharp X1ユーザーだったので機種名なども非常に感慨深いです。
そして本編にて私が担当致しました仮想ハードウェアは以下の通りです。
・PC-8081mk2SR版 | FM音源3音+PSG3音 |
・PC-6010mk2版 | PSG3音 |
・PC-8081mk2MH版 | FM音源3音+PSGノイズ1音 |
過去FM音源はメジャーな4オペレータのYM2203、YM2608、そしてYM2151を主軸に楽しんできました。
私のコンピューター音楽の歴史順にお話させて頂きますと、
まず最初に作る楽しさを知った音源がリコーの2A03です。当時小学校6年。
音源で言われても「?」だと思いますが、ファミリーコンピュータの特徴ある音源です。
先日公開したGATE OF STEINERのアレンジがこの音源です。
この音源を制御出来たのがファミリーベーシック。
こちらはファミソンの方で若干語ってますので割愛です…。
このファミベでMMLの基礎を学びました。
学んだと言っても当時文献など殆ど無く当時の皆さんは独学ですよね…。
その後中学2年に初めて自分のPCを買ってもらったのですが、それがSHARPのX1G model10でした。
model10とは、FDDは無しの倍速データレコーダー搭載のモデルで、当時憧れだった赤いX1Fより
安くてATARI仕様のゲーム用コントローラーも付属しているというCOOLなマシンです。
それまでは友人宅の8801mkIISRのN88-BASICで当時愛読書だったマイコンベーシックマガジン
(以下ベーマガ)に掲載されていた音楽を打ち込んだりする位でしたが、
これで毎日自分の家で音楽が出来る!と毎朝早起きをしてX1を起動する日々が始まります。
(ファミベ時代も早起きしていましたが、兄弟共有なファミコンだったので時間制限も有り、
データレコーダーは音量最大にしないと読み込み出来ないので座布団でレコーダーを
ぐるぐる巻きにして消音していました。X1を含め当時のパソコンは当然消音。画期的に感じました)
このX1の標準音源はPSG3音のみ。NEW BASICではON/OFFの基本的な発音方法しか出来ません。
しかしベーマガに掲載される音楽は素晴らしい力作ばかり!これが毎月の楽しみでした。
掲載されるのは殆どが88SR用の物でしたので、友人宅の88SRには本当にお世話になりました。
自宅のX1は後にFDD1基増設後、中学3年の頃、念願のFM音源ボードを購入してもらいました。
88のFM3音+PSG3音を遥かに上回るFM音源8音(左右中央の極端なステレオ!)という強力な
YM2151は当時沙羅慢蛇に搭載されていた事もあって、もう嬉しくて仕方なかったです。
(一方友人宅ではベーマガ掲載の沙羅慢蛇の左チャンネルBGMとか入力していました)
BASIC上でNEW FM音源ドライバーの16進コードを延々と打ち込んで組み込んでからは、
ひたすら色々な楽譜やゲーム音楽の移植を楽しんでいました。
GRAMを使ったこのドライバーは画期的であり毎日のように愛用させて頂きました。
FDDも更に1基増設して念願の2ドライブになり、しばらくX1の世界に没頭です。
STEINS;GATE 8bitにはこのX1のOPM+PSGの強力なツイン音源としてアレンジして頂いた物が
収録されております。時代背景的にはこのX1用FM音源登場時のような設定との事です。
一方その頃(DB風に…)、恐ろしい程進化した夢のマシンが登場しました。
日曜朝のTV番組、パソコンサンデーで動くグラディウスを見た時の衝撃は凄まじかったです。
中1当時、ゲーセンで置きクレジットや先行クレジット等行列が出来る人気のグラディウスがパソコンで!?
SHARP X68000の登場です。これにはX1のFM音源ボードと同じくYM2151が搭載され、
更にADPCMが1音加わった事により16bitパワーを見せつけられた1台でした。
この頃X68kユーザーになれるなんて夢にも思っていなかったわけですが…。
X68kについてはかなり根深く入り込んだので、またの機会に書かせて頂こうかと思います。
何だかんだとファミコン2A03から始まり、X1時代のPSG3音とSHARP伝統FM音源8音のYM2151、
同人活動から仕事にもなったPC88/98のYM2203及びYM2608(互換音源含む)、
FM-TOWNSのFM音源やMSX2のOPLL(2オペレータFM音源)など色々なドライバーを経て
FM音源に長く携わっていたのを思い出します。
前置きが長くなりましたが、STEINS;GATE 8bitはそれら音源を使って
音楽を作っていた頃を思い出すプロジェクトでした。
MMLによるFM音源制御からMMLによるMIDI、そしてシーケンサーへと移行して
相当年月が流れましたが、久々のMMLでも当時の記憶が鮮明に蘇りまして
スラスラとMMLが書けたりしました。暗記気味の音色も健在でした。
(実際通常業務でFM音源を扱う事があったので完全なブランクでは無いですが)
8bitという事で16bit化したX68000やPC98時代ではなく、このX1,88,FM7等が主軸となります。
また、LINE&PAINT時代を彷彿させるアドベンチャーゲームとなりますので、
熟成されたFM音源文化ではなく、8bit時代初期から中期にかけての時代を想定しています。
そう言う意味でも、まさに想定科学ADVの名に相応しいプロジェクトなのかも知れません。
この時代で育った世代の方は当時の面影を思い出しつつ、
また、このチープでサイケデリックなゲームの世界を初めて見る方は
当時の文化の片鱗に触れるような感じで。色々な角度から楽しんで頂けたら幸いです。
次回は当時のゲーム等にも書く事が出来たらなと思っていますが、時間があれば…な感じで。
宜しくお願い致します。
2011/10/27 Takeshi Abo.
Steins;Gate 8bitの公式サイトも正式オープンした事なので、
それを記念してテーマ曲GATE OF STEINERのアレンジ曲を公開中です。
その名も「GATE OF STEINER 2A03」です。
2A03とは?詳しくは検索して頂くとして、
三角波1音+矩形波2音+ホワイトノイズの構成で演奏しています。
Steins;Gate 8bitとは全く関係が無く、趣味で作ったアレンジです。
宜しくお願い致します。
→GATE OF STEINER 2A03を視聴(soundcloud)
さてさて、小学生の頃、電気屋で聞いた電子音に魅せられ現在に至る私ですが、
それからPSG音源・FM音源の文化をリアルタイムで体験していた身としては
色々書きたい事満載ですので、時間が出来たら雑記として書いてみたい所です。
2011/09/02 Takeshi Abo.
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