プロジェクトの最初ではまずメインテーマを作るよう心がけてます。
この曲も例外ではないのですが、実は２曲目です。
１曲目はと言いますと・・没にしました。感情が足りないなと思って
いた所市川さんにも指摘され、すぐに１から作り直したエピソードがあります。
テーマ曲を作る場合は本編で展開出来るようにとアレンジも考慮に入れて
作ります。なので完成時には既に構想がいくつも出てきています。
それから連鎖的にＢＧＭ制作に入る訳なのです。
wizはwithとwizardをかけています。貴方との映画、映画の魔術、そんな意味を
込めました。wizardlyで「すばらしい」という意味にもなるので色々です。

鍵盤を叩く強さや流れるようなテンポなどニュアンスに気を配りながら
ピアノを響かせるように作りました。私の下手な演奏が微妙なクォンタイズを
出している気がしますがどうでしょうか・・。

メモオフキャラクターの中でかなりアクティブな曲になっていると思います。
設定的にも年齢層が上がっていると思うので、それを意識して作りました。
曲的にはかなり気に入っています。オクターブまたぎのベースや軽快なドラムライン、
シーケンスやギター等自然にリズムに乗れるような感じを目指しました。
またREASONという音源としての特徴を使った曲でもあると思います。
ギターの音はサンプリングではなく、使い勝手に癖のあるMalstromモジュールを使い
Screamイフェクターで歪ませてシミュレートしています。グリス部分は鍵盤にて
リアルタイムに上から下へと流したらそれなりに聴こえたので速攻採用です。
リズム隊はDr.REXの上にRedrumによる各種パーカッションを重ねて行く手法を採りました。

麻尋の裏テーマ曲です。各キャラクターテーマには表と裏があります。
アクティブな表とは違い、震えるような弱さや寂しさを表現してみました。
最初は裏テーマは安易に全曲ピアノにしようと思いましたが、曲をガリガリ
書いて書きまくりたい！と思っていたのでインスト物を頑張って作りました。
この曲に限らずピアノパートは僅かな鍵盤の強さが曲の感情を大きく変えるので
納得がいくまで何度も弾き直しています。たった１小節を数十回演奏する事も
珍しくありません。そうした地道な作曲・入力方法をとっています。

あすかの楽曲が一番苦労しました。５回位作り直した後、この曲で落ち着きました。
サビの部分が先に出来まして、初期バージョンは全く別の曲です。
こういった没曲も機会があればいずれ形にしたい所です。
楽曲ですが跳ねるようなベースとキラキラした音色であすかを表現しました。
曲名的には小悪魔ですが、devilと単語になるとちょっと大袈裟です。
またイントロにも密かに注意しています。キャラクターテーマとなると、
そのキャラが登場するシーンに使われるので印象を大きく左右します。
あすかの曲自体はにぎやかですが、登場時（＝イントロ）は若々しい明るい輝きを
爽やかに出したいと思いBelltreeにてシャラリと演奏を始めるようにしました。

あすかの裏テーマです。サビの部分を使って楽曲制作に入りました。
無機質で冷たい感じの音色を使い後半のストリングスが入ってくる辺りが
気に入っていたりもします。ザラザラさせたドラムは濁った心を表してます。
ピアノパートは数値１単位で微調整していますので音源固定パートとなる事が
多いです。このピアノの音色でないと駄目、という状態です。他のピアノに
変えただけで強弱のニュアンスまで変わってしまい駄目になってしまいます。

香月の表テーマ曲です。さっぱりした性格だけど気取っていないしトゲトゲしくない、
そんな接しやすいイメージで作ってみました。REASONのMalstrom音源を
至る所で活躍させてみました。こういった一癖ある微妙な音色って大好きです。
扱うのが難しいのです。使いたい音色はたくさん作ったりしてありますが、
なかなか導入出来ずにたまる一方です。お気に入り音色は多いに超した事ないです。
キャラクター的には香月結構好きです。どうやら社内でも人気高いみたい？
unyieldingとは負けず嫌いの意味です。

香月の裏テーマです。基本のピアノにしつつ徐々に色々なシンセ音色を加えて行きました。
広がりなど空気感を意識しつつ宝石のような心を、と思いつつ作ってみました。
音楽作りにはこうしたちょっとオーバーなかっこよさを考える事も必要です。
明るくもなく、暗くもない、ちょうど夕焼けのようなイメージも込めています。
Madderとはアカネ色の意味です。

美海のテーマです。若さや元気さをイメージして作ってみました。
明るくキラキラした前半から徐々に陰りが出て行く具合にしてみました。
コード進行はかなり思いつきでそのまま作りたいように構成してます。
曲によって違いますが、この曲の場合はコード進行から作って行った感じです。
ベースの音色は普段静かな物が多いのですが、こうしたレゾナンスを効かせた
シンセらしいベースを使う機会が少しでもあれば狙って行っています。
このリコーダーの音色、波形レベルで微妙に下手さが出ているので意外と
面白い効果を出してくれます。発生タイミングも正確にではなく、全て手弾きによる
微妙なズレを残しておくのも打ち込み派としてのテクニックの１つです。
dreamy maidenとは夢見る乙女の意味です。

美海の裏テーマ。この曲は完全にピアノソロにしてみました。
美海の持つか弱さと力強さ、意思の力を意識しています。
最後は力強く曲が終わる時点でこの曲名を思いつきました。
曲名は全曲結構悩みますし決定まで意外と時間かかったりします。
ありきたりの物もありますが、シナリオや単語・イメージを総合的に考えて付けています。
延々と曲を聴きながら考える事が殆どです。

瑞穂のテーマです。結構初期に完成した楽曲です。キャラテーマでは麻尋に続いて
２人目に作曲です。普段はコードやベース、リズム等から着手するのですが、
この曲の場合はメロディーから作り始めました。旋律重視です。鍵盤の前で
思いついたように弾いて行って、それをメモして・・の繰り返しで完成した楽曲です。
エレピパートが音色的にも良い味出たかなと思っています。
初めて聴いた時にリズムが採りづらいようなイントロというのが結構好きでして、
この曲もそんな感じになりました。と言っても意図したわけではなく、イントロ部分を
作るに当たって他のパートを削ってピアノ隊だけにしたらちょうど良かったという・・

瑞穂の裏テーマ。メロディーは完成しているのでその他背景部分のエレピ、パッド、
スローテンポなパーカッション等を重点に作り上げて行きました。

信のテーマです。これは特に考えず作りました。そしたら再び怪しい雰囲気に・・。
この時点で曲調に関する指定が無かったのですが、やっぱり後になって「阿保君、
ちょっと怪しすぎるからもう少し明るく・・・」という事に。やっぱり。。
そこで新たに作ったのがリスト最後の方にある信のテーマ２なのでした。
でもこういう怪しいのは大好きなのです。なんせ作っていて楽しいのです。
しかし何も考えないと信のテーマはやっぱり怪しく出来上がってしまう物です。
信君ごめんなさい。

日常のテーマになると思われる楽曲の１つです。
学園生活を象徴した曲にと思い作成しました。
題名から分かるようにCUM研のテーマとして作りました。ベースラインを維持しつつ
セッションしていく感じにしてみました。楽器の駆け引きも仲間との駆け引き、という
点から連想して作って行きました。REASON的な音楽では無いですが、やろうと思えば
どんなジャンルでも作れそうなREASONのポテンシャルを感じます。

「メモオフそれから」の日常テーマ曲をメモオフ５用にアレンジしてみました。
こちらも日常曲です。普段は使わないエレキなギター音色を多用してみました。
軽快な楽曲になるように仕上げてみました。普段何気ない日常で演奏される事を
想定して派手過ぎず地味過ぎずのアレンジをしつつメモオフシリーズの１曲として
しっかり作った感じです。

想い出のかわる君からRainingをメモオフ５用に
アレンジしていきました。最初はドラムパート無かったですが、フェードイン
させてみたら結構クールな感じになって良かったので採用です。
ピアノの物悲しさとザラザラしたパーカッションの無機質さ、
悲哀感のあるストリングス等雰囲気重視で音色を構成していきました。

こちらも想い出にかわる君からのナンバーRemembranceをアレンジです。
何度も「あれ？Rememberanceじゃなかったかな？」とスペルを確認してしまいました。
Remember11の影響でしょうか・・・。という事でスペルはこれで合っています。
原曲と同じく前半の「夢」と後半の「現実」の２部構成となっています。

元々は違う曲のつもりで作り始めたのですが、雰囲気的にも憂鬱な日常用の
楽曲だったので急遽変更して作り上げました。こういう曲は得意でして、
かなりスムーズに完成です。昔からこういうコード進行が好きです。
作りたい物だから順調に完成するのかも知れません。文字通り『音楽』出来ました。

前の曲Cloudy viewの暗いバージョンです。
同一曲のアレンジと気づいてもらえたでしょうか？
9thコード等を展開して隣通しの鍵盤を叩いて不協和音を出すのが
好きだったりします。単体では不協和音ですが、全体として見ると
美しい和音だったりするのが魔法のようで面白いです。
曲のイメージもその「不協和音＝美しい和音」に近いです。
Indecisionとは躊躇い（とまどい）という意味です。

こちらはメモオフ２からの楽曲psychological distortionをアレンジしています。
この７拍子、懐かしいです。７拍子は不安感を出しやすくて使ったのを思い出します。
さてさてアレンジだから簡単というわけではなく、むしろ違ったテイストにする為に
新たに考え直したりする時間が多くかかります。この曲の場合は各音色を作り、
それらにイフェクトを加えて浮遊感を出してみたり等試行錯誤した点もあります。
クリアな音色にざらつかせたパーカッション、この組み合わせ好きです。
大分インダストリアルな感じになり気に入っていたりします。

メモオフ５でかなり気に入っている楽曲です。作りたいように作りました。
緊迫時や歪んだ心境時を表した楽曲です。曲名にはメモオフのテーマの１つである雨を
強引に組み込めた感じです。rainの付く単語です。
音色的にも大分色々な要素が詰まっています。ベースはFM音源風な物を作ってみました。
シーケンスはREASONお得意のフィルターを動的に動かした物。背景となる音も
空間イフェクトを多重にかけてみました。アンビエントテクノになるのでしょうか。
作れば作るほど色々なミックスも思いつき、曲の長さもどんどん長くなっていきます。
無制限で作ったら５〜６分は越えそうな勢いでしたが、ストリーミング楽曲なので
容量を押さえる事もあり４分弱で落ち着きました。REASONは際限なく想像力を刺激します。
こういう曲だけでソロアルバムとか作りたい野望もあります。

この曲も大分気に入っています。緊迫感を煽るシーン用の楽曲です。
フィルターを効かせた裏拍ベースから始め、歪んだギター音を盛り込みました。
音色作りにも時間がかかりました。各音色のエンベロープ等も細かく調整しています。
派手になりすぎたので全曲完成後に少し大人しめのバージョンも作りました。
同じ曲でも２バージョンあるとゲームをプレイしていて演出次第で「お？」と思わせる要因に
なると思っています。少なくとも音を重点に聴く私の場合はそうだったりします。

「やる気満々、心はやる気持ち」という指定でしたので、このような曲に仕上げてみました。
ドラムパートが密かに気に入っています。歪ませた８ビート、何だか好きです。
余談ですがこのドラムは森高千里さんに叩いてほしい！という感じで作ってみました。

切ないピアノのコードから始まる告白的なシーン用の楽曲です。
このオルガンの音色は物理音源のSubtractorで演奏されています。

メモオフ２の楽曲love and paradoxをアレンジです。
悲しいような切ないような、そんな胸を締め付けられるような感じをイメージです。
この曲のイントロ部分は2ndで作曲時にかなり感情を注いだので思い入れが深いです。

メインテーマを題材に、明るく再出発するような意気込みをイメージに作りました。
若干ハイテンポのビートにメインフレーズが案外すんなり入ったので一安心です。
今回のメモオフは計算で作り上げる物理音源の音が特に多用されています。

エピローグの楽曲です。静かな朝、目を覚ますと同時に幸せな自分に気づく、
そんな感じをイメージして作ってみました。心温かな時間が流れる様子が
伝わればいいなと思います。中盤のホルンが入る辺り等が気に入っています。

グッドエンドの楽曲です。メモオフと言えばこの楽曲「Memories Off」という事で
メインテーマと合わせて作ってみました。前半はメモオフ５のテーマですが、
最終的にバトンは歴代テーマ曲へと受け渡され、全体を締めくくる構成にしました。
その受け渡される間にもドラマがあった事を音楽でも表現出来ればと思い、
時には優しく、時には力強く、メリハリを付けてみましたがどうでしょうか？
やはりシリーズのこの曲で終わると「終わった〜」と思えるかなと思いまして、
特に指定が無い場合はこの曲で締める事にしています。
「それから」のバージョンも気に入っていますが、今回のもお気に入りです。

冷たい風が吹き荒れるイントロから始まるバッドエンド用楽曲です。
グッドエンドのMemories Offに対してバッドエンドはBygone days、という手法を
取っていまして、メモオフ５も例外ではありません。こちらは別の曲を混ぜる事なく
純粋にBygone daysを扱うようにしています。何度も作っている物はアレンジの違いを
付ける苦労もありますが、この曲に限っては結構すんなり作れています。
大きな違いと付けなくてもこの曲はこれで完成、というスタイルが既にあるのかも知れません。
暗い曲ですが作っていて楽しいのはいつも通りです。
何度もこのBygone daysのアレンジを作っていますが、今回のが一番気に入っています。

全曲完成してから追加で発生した楽曲、麻尋の曲の明るいバージョンです。
エピローグのエピローグみたいな感じで作ってみました。
全部が全部明るいようには作らず、曲の最後は普段の麻尋のイメージも残してみました。
この曲が流れて、曲がループせずに本編が完全に終了となっているといいなと思ったりして。

「My precious」のピアノソロ版や、各緊迫系のショートバージョンや派手さを
控えたバージョンも作ってみました。
主に前半用にと思い作りました。でも前半後半関係無しに流れていたかも？

前述通り作り直したバージョンの信のテーマです。どうもインドの印象が強かったのですが、
題名の通り日本的な要素へと変更して作り直しました。
密かにかなり気に入っていたりもします。これでますます信の印象が怪しくなる事でしょう...
KOTOと三味線のセッションに信のテーマフレーズ・・・胡散臭くてお気に入りです。

「Run!」を大人しめにアレンジしたこの曲は春人のテーマです。
まったり感を出すように作ってみました。と書くと何ともないコメントですが、
全曲完成して次のプロジェクトに既に入っている時に「実は春人のテーマが
ありませんでした」との事で急遽作った曲だったりします。ちょうどよく
駆ける春人のイメージで作った「Run!」があったのでそちらをアレンジです。