花咲く隨に |
プロジェクトに入る際、一番最初に作った楽曲であり、
そして世界観を表現するようなテーマ曲の位置づけです。
2012年の10月頭に作ってますので、発売日の約1年前という事になります。
イントロは花びらが舞う風に乗って、振り返ると江戸の町なみが見える丘に立つ主人公。そんな雰囲気です。
その後は物語の舞台の中心となる万殊屋を始めとした活気づいた町の様子や、
生き生きと過ごす江戸の下町の様子、を表現しています。
間奏的に静かになる部分は、ふと寂しく感じる主人公の七緒、
でも振り返れば暖かく受け入れてくれる登場人物が待っている…
そして、その仲間達に向かい小走りに歩み寄って行くという展開を考えて作ってます。
イメージ的にはそこで初めてタイトルロゴ、というオープニング的な感じです。
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常日頃 |
通常BGMとして流れる日常曲です。
延々と流れていても耳に刺さらず、物語を邪魔しないような演出としてのBGMを意識しながらの作曲です。
とはいえ、比較的自由かつ作りたい様に手掛けさせて頂いた感じでもあります。
和の雰囲気は琴を使うだけでも強く出て来るので、あらかさまに和風にするのではなく、
さりげない和風を心がけてます。
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城下町 |
こちらも通常BGMの位置づけですが、江戸の下町を意識した曲になっております。
商人の声、かごやの掛声、井戸端話を楽しむ声、子供達の駆け回る声、そんな賑やかなイメージです。
この鼓(つづみ)の音は私がかなり古くから愛用しているサンプリングでして、
かれこれ今から20年くらい前に用意した物だったりします。そう言う意味でも歴史有る感じ(?)です。
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和助・破天荒 |
その名の通り和助のテーマです。
破天荒で強引で、でも頼れる兄貴というキーワードから作りました。
シンセサイズした琴や三味線を主軸にしつつ、シンセとピアノ、和太鼓などで構成してみました。
ベースは2つの音色を交互に使ったり、音色的にも強引な所あるかも知れませんが、
この曲かなりのお気に入りだったりします。この曲に限らず各パート別に聞いてほしいところでもあります。
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白玖・詩舞 |
白玖のテーマです。詩舞は「しまい」と読みます。
慎重で几帳面、それでいて美しさを持ち合わせている白玖からイメージした曲です。
若干ゆったり目のテンポに、メインとなるピアノと共に不可思議な雰囲気も出す様なコードを使い、
低く安定したベース、時よりキラキラなる音色、うねるパーカッション等で構成しています。
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宝良・天真爛漫 |
宝良のテーマです。
明るくて、元気で、やんちゃなキャラクター性の音楽です。
設定に筋肉ムキムキな大きなワンちゃん、とかありまして、それが妙に印象付いていたりします。そんな感じです。
曲の方はスキップするようなシャッフルのリズムに、明るい和音や音色を組み合わせています。
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辰義・一匹狼 |
辰義のテーマです。
人見知りで殻に閉じこもりがち、そんな扱いにくい性格なイメージ、から作曲しました。
そんな設定とは裏腹にこの曲も和助と同じくかなりのお気に入りだったりします。
特に気に入っているのは低くうねるベースパートです。それと同調しつつ定期的に刻む三味線、
アクセントで入る鼓など細かい所まで趣味をも盛り込んだ曲になりました。
寿司屋のメニューに載るとしたら「本日のおすすめ!」に間違いなく載せる曲です(?)
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倉間・風 |
ふわっとしていて、不思議な雰囲気が漂う…そんな倉間のテーマ曲です。
最初かなりの不思議ちゃんな曲になりそうだったので、途中で作り直しました。
イントロの部分はそのまま残してみました。曲のイントロ部分は演出的にも第1印象に直結するので、
とても大事な部分だったりします。本編プレイ中だと尚更この数小節だけでも倉間の印象が付くかなと思いますので、
その後は普通の曲でもいいかなと思いつつ私の頭に中にあったイメージをなるべく曲にしてみた感じです。
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万殊屋 |
万殊屋のテーマ、になります。
ワイワイと楽しげな雰囲気もある店の中の様子をイメージしています。
和の音色を使いつつも裏打ちのリズムなので割と普通の曲に仕上がりました。
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彼方此方 |
コメディー的なドタバタシーンを想定した曲です。彼方此方は「あなたこなた」と読みます。
軽さを前面に出してますが、どこかしなやかな部分も残しつつ作った感じです。
この曲が本編で一番ギャグ的なものになります。
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真意 |
真剣な話を持ち上がる際の汎用的なBGMとして作りました。
静寂さと落ち着いた心境で語る様子です。
ピアノ主体ではありますが、不思議なシンセサイズされた音色や、弦楽器や琴なども
それぞれがメインとして奏でる曲です。
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笑いさざめく |
お笑いシーンを想定した曲です。
「彼方此方」の行動系ギャグに対して、こちらは会話系ギャグ的な位置づけです。
なので若干テンポも遅めで、後ろで淡々と流れるコミカル曲として仕上げてみました。
割とアニメの劇判的な作り方をしていたような記憶も有ります。
使う音階がこれまた行き当たりばったりの即興だったりしますが、結構まとまったかなと思っています。
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幾世 |
接客ではない日常的なシーンを想定したBGMです。
この曲はプロジェクトの終盤まで作らずにおいて、最後の最後で作ったような感じです。
日常曲はいくつがありますが、それまでに作っていなかったような雰囲気を持たせようと思っていたからです。
終盤に作った事もあってどこか後半の物語の核心が見え隠れしているような曲になりました。
この曲もお気に入り曲で花まにBGMベスト3に入るくらい気にいっていたりします。
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宵の空 |
夜間の日常シーン用のBGMとして作りました。
「常日頃」のピアノソロ版になります。
しっとりとした雰囲気の音にして、会話中心になるよう意識して作りました。
1つの曲から力強さと儚さ、心細さや優しさ、色々な感情が生まれて来るような曲を目指しました。
同じ曲でもこういったピアノソロ版を作る事で、ゲームとしての演出効果も高まると思っています。
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面妖なる陰 |
来ました、私が大好きな系統の曲です。
花まには心情を表す曲が多くBGMリスト化されているのが特徴です。
こちらの曲は「焦り」を表したものになります。
緊張感の中に疑念が湧く様な、陰を意識して作りました。
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安堵 |
安堵をテーマにした心情曲です。
精神的に救われた時、ホッと安心出来た心温まるシーンなどを想定して作りました。
こういうシーンにピアノは特に似合います。
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遊郭 |
京都の遊郭で流れるBGMとして作りました。
マクロ的に見た凛とした空気感ではなく、京都全体の雰囲気を意識して作りました。
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京の調べ |
この曲は花まにプロジェクト初期のイメージ段階で出来た曲だったりします。
後からこのシーンの曲に合いそうだとの事で、多少編曲して京都の町のBGMとなりました。
こちらはマクロ的に凛とした雰囲気がにじみ出ているシーンを想定して作ってます。
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疑心暗鬼 |
怪しさ、不信感、そういった疑心暗鬼な心情を表した曲です。
歪ませた音色も組み込み、揺らぎや不安をかき立てる音色を多く構成しています。
不協和音の美学的や、終盤の低音だけの部分など音楽的に色々やってみてます。
疑惑シーンのBGMですが、作っている私自身はかなり爽快感を感じつつ楽しんで作っていたりします。
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時雨心地 |
悲しみの心情曲です。
こういった曲は過去数多く作って来ていますが、物語を読んでいると自然と雰囲気が頭に浮かんで来たりします。
この曲も例外ではなく、イントロとサビ部分がふと浮かびました。
あとは伴奏加えつつその旋律を奏でるよう作れば完成、という具合です。
盛り上げる為にサビをリフレインさせ、若干シンセパッドを加えてます。
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夜叉子 |
どうしようもない怒りを含んだ感情や絶望感を表した心情の曲です。
曲名にもある単語「夜叉」は今回是非入れたいと思っていた単語でしたが、この曲に無事組み込む事が出来ました。
夜叉子は「やしゃご」と読みます。
結構ドラマチックな曲に仕上がったかな?という感じですが、どうだったでしょうか?
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修羅 |
こちらは怒りの感情そのものの心情曲です。
琴の音色をイフェクターで歪ませ、更にピッチベンドコントローラーを常にいじって揺らぎを出して、
怒りの心情を表してみました。そして徐々に感情が高まるかのごとく、縦に刻む三味線や弦楽器を
加えていって曲を盛り上げてみました。
ベースは派手に主張させず、一定の音域で感情をキープさせるように演奏させてみました。
こういう曲も好みだったりします。
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宿命への意地 |
覚悟を決めた時の心情曲です。
なので物語終盤の核心に触れているシーンを想定しています。
具体的な事は書きませんが、プレイされた方なら何となく分かるかと思います。
中盤からは切なさの感情も入り交じり、何かの拍子に泣き崩れてしまいそうな繊細な意地の上に固まる決意…
そんな心情も曲に込めてみました。この曲で盛り上がって頂けたら嬉しいところです。
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一輪の華 |
甘くドキドキするような、そんな高揚感ある心情の曲です。
高音域でポロポロ演奏されるピアノの旋律が、その甘酸っぱさを表現しています。
単音だった旋律が和音になり、まとまり、そして徐々に主人公七緒の心を動かしていく…そんなイメージです。
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座敷 |
こちらもプロジェクト初期に作った曲で、琴の音色を作る際のテスト曲的な感じで作りました。
何となくお茶が飲みたくなってきます。
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戦慄き |
戦慄きと書いて「わななき」と読みます。
恐怖を表した心情曲です。本能的に恐怖感を感じたり、戦慄を感じる際のBGMとして作りました。
和的な音階を使っているだけでも結構それっぽい雰囲気の曲になったりするので、
適材適所な感じで各パートを楽しみながら作ってみました。
三味線パートは特に本物で奏でるのを聴いてみたい気もします。
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魂 |
プロジェクトに入る際に、サウンド制作としてはシナリオを最初から最後まで読む事から始めるのですが、
その際に感じたインスピレーションは音楽的にも必要な要素だったりします。
今回印象として受けた物の1つに、この曲のようなインスピレーションがありました。
完全に環境音楽的ですが、こういった定まらない雰囲気の中に紛れる幻想感とでもいいましょうか、
そんなイメージを受けたのです。という事でその印象をモチーフに早速作ったのがこの曲です。
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微笑み |
全てが解決し、心晴れやかになる心情、という喜びをテーマにしたBGMです。
題材からもエピローグ的なニュアンスで作ってみました。
慣れ親しんだ異国の地から、次なる地へ旅立つ朝…。そんなRPG的なイメージも持って作りました。
ピアノとは違った優しさ溢れる音色で演奏させてみました。
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震駭 |
一通り楽曲を作り終えた後に、追加曲として作ったものです。
アンビエント寄りの恐怖を表すBGMです。
和とかは意識せず、雰囲気重視で作りました。
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黄泉 |
バッドエンド用のBGMです。なので演奏時間も長めになるよう作っています。
何かを失い、途方に暮れる様子や報われない脱力感の中、仕方なく進んで行く惰性のような、
そんなネガティブさを含んだ一区切り。そんなイメージです。
曲の方もマイナースケールで暗さや物悲しさを盛り込んでいます。
この曲のシーンを味わってこそのハッピーエンドもあるので、
まだ感動のラストまで到達されてない方は是非最後までプレイして下さいませ!
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見世 |
どこかひょうきんな雰囲気すら感じるシーンのBGMです。
何となくお祭りっぽい感じもありまして…という事で実はボツ曲です。
が、折角なので本編で使って頂ければとサルベージされた経緯があります。
他にこういう曲は作っていなかったので、意外と必要だった曲だったのかも知れません。
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刻意 |
お気に入り曲「幾世」のスローアレンジになります。
その曲の対比や派生場面など演出的に使って頂ければと思って用意しました。
アドベンチャーゲームはこういった別バージョンの効果は比較的高いかと思っています。
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希望の唄 |
前向きな心境で希望を持って進む、そんな心情のBGMです。
曲的には前半部からもうエンディング的な構成です。
中盤からは希望や進むべき道などをイメージして作ってみました。
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寄り添う二人 |
二人きりのラブシーン、そんな心のクライマックスをイメージして作りました。
まさに曲名通りのイメージです。
音色はピアノでも良かったのですが、改めて表現する為に柔らかなエレピをメインにしてみました。
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花咲く随に・刹那 |
メインテーマとなる「花咲く隨に」のピアノソロ版です。
最初にテーマを作った時に同時に出来るような曲でもあります。
そこから若干フレーズを変えたりテンポをいじったり、音色を最適化したりして完成です。
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陽炎・壱 |
システム曲があるアドベンチャーゲームも結構珍しい気もしますが、作ってみました。
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陽炎・弐 |
システム曲を別にもう1曲作ってみました。「壱」が若干忙しめだったので、
こちらは更に空気感を重視したアンビエント曲に仕上げています。
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