ファミソン8BIT momo-i
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2007/03/21発売

ファミソン8BIT momo-i に参加するにあたってこの音源環境を振り返ってみるの巻

ファミコンの音源でアニソンを、という面白い企画に参加させて頂きました。
私自身小学生の頃にファミリーベーシック説明書の最後に載っているBASICの
プログラム「ロックンルージュ(松田聖子)」を打ち込んで以来、すっかりこの
チープなデジタルプログラムサウンドの虜になっていました。それから自分で
色々音楽を打ち込みました。もの凄い数の音楽を自分なりにファミリーベーシックへ
入力しては奏で、自己満足した所でデータレコーダーに記録し、次の曲へ…という日々。
音楽と同時にプログラムにも目覚めて来たのが中学1年の頃でしょうか。当然独学です。
少ないお小遣いを駆使し(このやりくりもMML記述に通じる?)ベーマガを買っては
全ての機種のBASICプログラムを見て、マーカーでチェックしたり書き込んだり。
それはまさに教科書。当時こういった素人から玄人までをカバーしている手頃な雑誌は
私的にはこのベーマガでした。私のファミリーベーシックはV2.1aでして、メモリが
V1.0よりは500バイト(凄い単位だ…)程多かったモデルでした。このメモリの範囲内で
BASICを書く訳です。1画面入力したら既に1kBを超えていたりもしましたね。懐かしい。
後にV3というファミリーベーシックでは神的な存在であるグレードを購入してもらいます。
この頃まだ中学1年です。このV3は何とメモリが2倍(と言っても4kB)の赤いカセット。
メモリが2倍になっただけでもの凄いマシンを手に入れたかのような自由度がありました。
この頃になると当初意味不明で入力していたBASIC文も徐々に理解しつつあり、SPRITE等も
「エスピーアールアイティーイー」という読みから「スプライト」と変化(笑)前進です。
当時はベーマガと平行してBEEPというマニアックな分野にも触れる雑誌にも目を通していました。
このBEEPでは何と禁断のPOKE文を使って直接レジスタを叩いて音を出すという荒技も登場。
BASICから遥かに高度と見ていた「マシン語」のファミリーベーシックプログラムなども登場。
既に業界的にファミリーベーシックは行き着く所まで行ったという感じでした。
とは言えゲームを作るにも音楽を作るにも私が利用出来るのはBASICのみ。
ファミリーベーシックで利用出来る音源は基本スペックのみ。今では通称2A03と呼ばれますが
パルス波が2音+三角波1音の3音だけ。ノイズやDPCMは利用出来ません。
パルス波はデューティー比(矩形波の周期をずらすイメージ)を4段階に変更可能でした。
このデューティー比変更というのが当時他のパソコンでは無い機能であり、独特の音色を
発生させる事が出来た訳です。比率は12.5%、25%、50%、75%。PSGは50%になります。
ファミリーベーシックでは上記をY0、Y1、Y2、Y3で表記して入力するのですが、私が特に
好きだったデューティー比はY0。ベンベンとなるハープシーコードのような音色が好きで
自分で作るときは好んで利用していました。MMLで言う所のY0M1が好きです。
Vは通常音量コマンドですが、M1によってエンベロープスピードになります。
このVコマンド連発でファミリーベーシックでも結構面白い感じに出来た記憶があります。
もちろんY1、Y2も好きです。Y3は殆どY1と同じ…ですよね?もう21〜22年前の事ですが
結構覚えている物です。この頃の記憶力は凄まじいです…今はもうさっぱりですが。
その後中学2年の時にSHARPのX1Gmodel10を購入してもらうまでファミベは酷使しました。



その当時の文献は今でも大事に保管しています。私の宝物の1つです。



↑右はファミリーベーシックの取り扱いマニュアル。これがまた上手く説明してあります。
小学生の私でも理解出来た内容はさすがと今でも頷いてしまいます。年季入っています。
左は更に凝った事がしたくて購入した別冊の解説書。当時この1冊は定番だったかも知れません。



説明書の中にはBEEPの切り抜きまで入っていました。
当時欲しい部分だけ切り抜くのが自己流でした。
中央は純正説明書の中に有ったロックンルージュのBASIC文。MMLの基礎を覚えました。
そしてこのページこそが今の私の原点に当たると言っても過言ではありません。
右の書籍は上画像の別冊の解説書です。懐かしくてついつい読みふけってしまいます。



…と、マニアックな話はここまでにして…

さて、前置きが長くなりましたがファミソンへ話は戻ります。
前述のようなローテクのファミリーベーシック時代とは違い、今はマシンパワーで色々解決
してしまうような時代となってきました。知りたい情報もネットで検索すれば殆ど解決します。
当時では想像も付かないような便利な現代、そこで再びこの古き良き音源へスポットを当て、
更に当時聞いていたようなアニメのOP/ED曲を演奏しつつ、不思議な雰囲気のある声色で唄う
桃井さんのボーカルが合体した企画CDがこの「ファミソン8BIT -momo-i-」なわけでした。
5pbでの最初のお仕事がこれでして、昔の記憶を引っぱりだしての作業展開となりました。
偶然にも少し前にKIDにてMemories Off 8bit arrangeという「メモオフのBGMをファミコン音源で」
という企画CDを作った後という事もあり、作業手順も比較的具現化しておりました。
今回は更にボーカルも加わるので、今までとはひと味違う作業となりました。でも担当のNさんが
資料の手配など色々して下さったので私は安心してデータ作成に没頭する事が出来ました。
夜遅くまでの収録に立ち会ったりして徐々に完成していく音源。この行程はまるでRPG。
合間に効果音を作り、各曲に効果音を混ぜたり。そしてWEBサイト用のFLASHに音を、と
そのFLASHを見せて頂いた所思わずニンマリ。これ、凄く分かっている人が作ったこだわりの
FLASHだ!と非常に感心しつつ、そのインスピレーションから一気にジングル曲を作成。
こちらは派手にはしないで、その重要な「雰囲気」を最優先させた力作です。
WEB公開から発売日の3/21が無事やってきてホッとしたのがつい最近なのですが、
他にも色々お仕事が舞い降りてきたので油断出来ない日々を続けているのでした。
その他のお仕事についてはまたの機会に。というか、長くなり過ぎ?


そんなわけで担当した楽曲について一言だけ書いてみようと思います。
まずは担当曲一覧。

  Track.01:タッチ
  Track.03:裸足のフローネ
  Track.07:ふしぎなメルモ
  Track.08:はじめてのチュウ
  Track.11:Lはラブリー
  Track.12:アレアレアラレちゃん
  Track.14:きみはホエホエむすめ

という事で上記7曲を担当させて頂きました。制作した順番に楽曲解説させて頂きます。


Track.03:裸足のフローネ

この曲、実は大好き。当時リアルタイムにTVでフローネは楽しんで見ていました。
まずは打ち込んでみるか!と最初に行う作業は通称「耳コピ」。え!?耳コピ!?
そうです、楽譜とか何もない状態から楽曲を聞いて音を取るあの原始的な作業。
入力しつつ同時にアレンジも多少加えつつ、効果音も作成して全てが同時進行。
意外と苦労したのが「潮風を」の後の何かがジャンプするようなポェ〜ンという音。
MMLであ〜でもない、こ〜でもないとソレっぽくなるように入力するのも久々の作業です。
そんな感じで「こういうアレンジで行きますが宜しいでしょうか?」という意味合いも
含めて初提出となった記念すべき1曲になったのでした。最初のOK頂く前はドキドキでした。

Track.01:タッチ

次に取りかかったのがこのタッチ。フローネで調子に乗った私はいきなりイントロに
RPGの戦闘風の展開を持って来てしまいました。曲自体が何となく戦闘っぽく無いですか?
と思ったのは私だけかも知れないのですけど…私はそう思ったのでこういう展開に。
スタジオで最初音を出した時にエンジニアさんの「??」という顔を思い出します…。

Track.08:はじめてのチュウ

これは苦戦しました。というか、自分から勝手に苦戦に持って行ったのですけどね…。
というのも、タッチでイントロを追加した私、次のこの曲のアレンジを大幅変更してしまいました。
4拍子だったのをシャッフル(3連符)に変えると言う原曲から離れてしまうアレンジに。
さすがにこれはNG。駄目出しを頂き、ノーマル4拍子4ビートに作り直したのも今となってはいい思い出です。
でも、シャッフル調のリズムも案外好きだったのですよ。盆踊りみたいなアレンジなのでした。

Track.07:ふしぎなメルモ

上記キテレツの曲で大幅変更をしても懲りない私は次のこのメルモちゃんではロック調にアレンジ。
いいのかなぁ、でもそのまま音源に落とすアレンジしても面白みも無いし、折角なので
この音源特有の使い方をしたアレンジにしてみようと2秒で考え、即打ち込み開始。というか耳コピ開始。
これがまた辛い耳コピでした。原曲を持っている方は聞いて頂けると分かりますが、テンポが…。
原曲の構成も凄いのですが、慣れてしまえばサクサクっと耳コピな感じでした。あとは勢い。
トラックダウンで三角波の音量が変わっていますが、アレンジ段階ではきちんと三角波は
音量を変えずで入力しています。このアレンジは結構お気に入りだったりします。間奏とか好き。

Track.11:Lはラブリー

ここでスタンダードなアレンジとなるこのかぼちゃワインの曲。肩の力を抜いて打ち込み。
4つ打ちのリズムにオクターブまたぎのベース。私的にこの音源ではメジャーな打ち込みです。
オクターブまたぎのベースラインは中学の頃スペースハリアーを聞いてからすっかり虜です。
最近の仕事では全然使っていませんでしたが、この系統の音源の入力では自然に出て来ました。
相性がいいのですよね。あとディスクシステムのFDS音源と呼ばれる物も導入してみました。

Track.12:アレアレアラレちゃん

原曲イントロを聞いて「あ!これはデューティー比12.5%のY0で今直ぐ鳴らしたい!」と思いました。
案の定Y0の音との相性はバッチリ!シンプルかつ気持ちいいフレーズとなりました。
トラックダウンで入ったコーラスが良い雰囲気出しています。安心して聞ける感じになりました。
この曲は6ポリ版(標準スペック+ディスクシステム音源で演奏出来る状態)も作ったりしています。
非公開ですけど。

Track.14:きみはホエホエむすめ

来た…これが来たか、という曲。アイドル八犬伝は実際プレイした事は無いですが、
その独特の噂は耳にしていました。そのエンディング曲になる「きみはホエホエむすめ」を
担当させて頂けるのはとても光栄な事です。商用CDでやりたくでもなかなか出来ないと思います。
桃井さんが唄える様にキーの変更&まずは耳コピ。意外と曲が長い!?
中盤以降の間奏部分、どう料理しようかと思いましたが私の両手は自動的に演奏を開始していたので
その思うがままのフレーズを入力してみました。どうだったでしょうか?

…という事で、聞いて頂けると分かると思いますが、旋律と代表的なサブフレーズ以外は
殆ど自分でフレーズを作っているのです。有名曲ですが意外と中身はいじっちゃったかなと
いう感じです。メルモちゃんの曲などメロディーだけ使って殆ど変えたような感じです。
そういう制作側の色々な苦悩も察しつつ聴いて頂けると幸いです。



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