推理小説である「すべてがFになる」ですが、サウンド面でも色々気を使いました。第1印象からイメージした物をデータにしていく作業になるわけですが、私の好きなジャンルの物だけに作るのも面白かったです。プロジェクト前半はもう作りたい物を作れるペースでした。特に好きなジャンルであるアンビエント色を全面に押しだし、空間と思考をテーマにした曲が多いです。このアンビエントのジャンルは好きなのです。飽きるかと思いきやじっくり聴いていると数小節で一塊りのループとして頭で覚え、それを聴きながら記憶していたフレーズと重ねていく・・・そんな聴き方をしてみると同じ繰り返しの曲でも全然違って聞こえてきます。ゲームとの相性を考慮しつつ、自分なりのスタイルで作れたかなと思っています。とは言ってもPlayStationのプレイバック専用サンプラー音源での演奏なので時間変化を伴う音色などは困難でした。でもそれなりに頑張っていますので今回も音色面を聴いていただけると幸いです。
2002/04/03AM Takeshi Abo.
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Opening Theme |
久々に内蔵音源以外で作ってみた曲です。所要時間は2日位(12時間位?)。
何が苦労したかと言うと、SystemExclusiveがシーケンサーに記憶出来ない!と
いう致命的な問題が発生しまして、1日かけてあれこれ悩みました。
どうやら新しく導入したmidimanのMIDISPORT 8/8sはSysEX情報を上手く伝えて
くれないという結論に達し、結局音源からMIDI PATCHBAYへまず流してから
切り替えでG4のAudioカードのMIDI端子へ入力、そしてソフト上でMIDISPORTから
Audioボードを切り替えてシーケンサーにて録音、という非常に面倒な作業を展開。
そんな事はおいといて、曲ですがこちらでもM.O.S.S.音源活躍です。
殆どKORGの音源で演奏しています。でもベースはRolandな音だったりしますが...。
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CODE F |
私が小説を読み終わった後に一番始めに作成した曲です。
という事で初回イメージはこんな感じでした。
今回のコンセプト的にはアンビエントサウンドです。
全曲的にバックで鳴る音を聴いていただければ幸いです。
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White display |
ゲームスタート直後の博士との会話シーン用に作成しました。
が、若干イメージが違っていたので後で作り直す事になります...。
今回曲が長いのは「1分位の曲では短すぎて作る方もつまらない」のと、
「読み物の作品なのですぐループしてしまうのに気づかれたくない」と
いう理由もあったりします。普通に作ると大体2分位になります。
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Reality illusions |
音階のはっきりしないGlockenと空間を表現するPadとSpectrumノイズから作成した
シンセの音で始まり、数学的な作り方をした曲へと展開します。7は孤独、という事で
本当は7拍子にしようかと思ったのですが少々違和感あったので普通に4拍子です。
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Grooves |
Jazz風味の曲で、使われるシーンもおしゃれなバーという設定で作りました。
ベースラインやコード展開等が作っていて面白かったです。フルートはもう少し
凝ってマルチサンプリングを複雑にしたかったのですが、メモリ問題もあり
2段階の省メモリ設計マルチサンプリング音色に落ち着きました。
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Outside seeing |
3分30秒とゲーム音楽にしては長い方かも知れませんが、普通のこれ系の
曲としてみれば短い方です。高技術の無機質で静寂な建築物をイメージして
作りました。この「コーーーン」という音は是非とも入れたいと思って、今回
かなり初期から音を用意していたりします。結構気に入っている曲です。
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Lab |
無機質だけど中では人間がきちんと居る、そんな感じをイメージしてます。
PSGみたいな音はお気に入りアナログシュミレート音源M.O.S.S.から
サンプリングしています。この頃はまだ驚異の最強ソフトシンセであるREASONを
個人で購入していなかったのでなかなかこういう音をPlayStation用に用意するのは
四苦八苦していたりしました。REASONはプロジェクト終盤で購入したのでした。
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Absolute system |
先ほどのOutside seeingをモチーフに作成しました。
この曲の場合は・・ベースの音色を聴いて下さい。
フィルター無し内蔵音源でも頑張ればなかなか良い音が出る物です。
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Antic |
懐かしきKORG 01/Wのウェーブシェイピングを使って作成した音色をサンプルして
いたりしますが、誰も気づいてくれない事でしょう...。
お気に入りベースも健在で、3段階マルチサンプリングを少し改良してみました。
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Key |
リズムはフレーズサンプリングを混ぜています。後ろで鳴っているベルみたいな
シンセ音はエクソシストを思い出します。
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Silver island |
一転してメジャースケールの明るい曲です。
結構気持ちよく作成出来た記憶があります。
PC88やPC98を思い出させるDetuned PSGを好んで使っています。
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Dozing forest |
ムード系の曲です。特に変な音も入れず、聞き易いように作成しました。
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PARASOL |
考えようによっては難しい曲ですが、唯一抜け明るい曲です。
SlapBassや5度重ねのAnalog系リード、M.O.S.S.音源からの音色など
仕様している音源も他曲とは少々変わっています。
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recesses |
時間的に変化する音色を少ないメモリに詰め込んでみました。
うまく音階や発音タイミングを変えてうねるようにしています。
ベースの堅い部分の音色はちょっと堅すぎたかな?
中盤リードの音ですが、やっぱPSGは良いですなぁ。
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Ruins |
ここでも01/Wのウェーブシェイピングを使った音色が入っています。
8年位前の音色も使っています。あの頃はSuperFamicomでした。
こんな音出るわけもないのですが一応サンプリングしておいたりしてました。
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Traces |
割と気に入っている曲ですが、これまたアンビエント色の強い物です。
後半のコード展開は適当ではなくきちんと考えて作ってますので念のため。
YAMAHA RY20の音とかも入っています。
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Sand of time |
どことなく焦りも含まれる感じの曲です。出来上がってみて今ひとつしっくり
来なかったので一端はボツにした物の、どこかに使えるかもという事で本編へ
入れさせてもらっています。
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Blackbox |
こちらが上の曲を作り直した物です。と言っても曲は別物です。
ReBirth RB-338という凄く素晴らしいソフトシンセがあるのですが、
それからバスドラムをサンプリングして長くのばしてみた物を使っています。
音階のはっきりしないGlockenに更にピッチベンドも加えて不安定さを出してます。
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V.C.O. |
レゾナンスを利かせた音色を多用しています。
結構ポップに仕上がっています。メロディーは無いですがお気に入りです。
裏拍ベースに頭打ちのドラムの組み合わせを聴きつつ全パートを聴いてみると
何となく鶏みたいになって良い感じです.
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Resonance |
こちらもレゾナンスを利かせた音色を多用しています。曲名にもなっています。
と言ってもPlayStationにレゾナンスフィルターは無いのですが。
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Log in |
実はかなり気に入っている曲なのですが、きっと誰も覚えていてくれない曲に
なっているかと思います。昔はアンビエント物はもう飽きてつまらなかったのですが、
今は何となく分かった気がします。作る事が楽しいのです。
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Spirals |
「謎は全て解けた!」というイメージの曲です。
ベースをマルチサンプル化するのが癖になりつつあります。
コーラスのようなシンセ音はなかなか実用的でここでも多用しています。
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Alone a lonely |
割とスタンダードなマイナースケールの曲です。
この頃になるとスケジュールも末期で1日1曲ペースでガシガシ作っていたりします。
特に小技は組み込んでいません。
マルチサンプルと疑似ステレオディレイ程度でしょうか.
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FUTURE |
前半後半と分かれる程割と長い曲です。3分30秒位あるかも?
未来(ミキ)ではなく未来(FUTURE)です.
曲の方もそんな感じのエピローグ曲です。
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Be missing |
REASON購入記念!という事でまず新しくPianoをサンプリングしてみました。
これがまたなかなか綺麗な音で、全曲これに置き換えたかったのですが、
かなり容量使います...なのでPlayStationには向いていない音色です。
曲の方は珍しく譜面から作成していった曲で構成的にはきっちりしています。
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0x10000 |
ん〜言い訳してしまいますが、やりたかった事の30%位でしょうか...。
これも殆ど1日(合計で5〜6時間位?)で完成させています。
パーカッションだけでもブイブイ言わせるディープな物にしたかったです。
あまり音重ねると発音されませんし...
そして曲的にはオープニング曲を混ぜたりと構成してみました。
ちなみにゲーム中では10000hになっているような・・・。あれれ?
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Event movie |
イベントムービーシーンの音ですが、実は全てREASONによるサウンドです。凄いです、REASON。
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